正しい初詣でのお参り仕方や参拝方法をして晴の日を迎えよう
初詣(はつもうで)は晴(ハレ)の日、対して、平素の日常は(ケ)の日と言います。よく朝ごはんや夕ご飯で、朝餉(あだげ)、夕餉(ゆうげ)というのはこのケを意味します。この日々のケは、だんだん枯れていきます。これを一般に穢れ(ケガレ)といいますが、そのかれたケを回復させる日が晴れの日になるわけです。
そんな晴れの日に参拝にいく初詣でですが、仏様にお参りに行くお寺もですが、特に神社の場合は、単にお祈りに行くだけでなく社殿などに降臨した神々へ直接会いに行く行為でもあるので、参拝の作法はとても大切になってきます。
当然ながら、神社でもお寺でも、お参りの仕方には、正しい参拝方法があります。
ご利益アップをのぞむなら、神様や仏様の前で、失礼のないように振舞うのはとても大切です。
ということで、神社とお寺の参拝方法を今から、それぞれ下記に説明したいと思います。
神社でのお参りの仕方・参拝方法
1鳥居の前で一礼する。(参道の中央は通らない)
神社での参拝は鳥居をくぐるところから既に始まっています。
鳥居を境界に神様がいらっしゃる場所に参るわけですから、まずご挨拶を兼ねて、一礼してから鳥居をくぐるのは当然の事となります。
参道の中央を避けるのは、神様の通り道(正中)だからです。
左端をゆっくりと歩いていくとよいでしょう。
2手水舎で、手を口を洗い清める。
拝殿の近くになると、水が貯められ柄杓(ひしゃく)がおいてある手水舎(てみずしゃ)という神様にご挨拶する前に、手と口を洗って身心を清める場所があります。
ますはそこで、手を洗い口をすすぎます(場所によっては注意書がされていて、衛生面で水を口に含めない場所もあります)。
順番としては
2-1右手で柄杓をもって水を汲み、その水の3分の1くらいの量で左手をすすぎ洗う。 | |
2-2柄杓を左手にもち換えて、同じように3分の一くらいの水の量で右手を洗う。 | |
2-3また、右手にもちかえ、残っている水を左手で受けて、それを口に含み口をすすぎます。その後、口に含む際に水を受けた左手を洗います。 | |
2-4最後は柄杓を立てて、残った水で握っていた柄杓のえの部分を洗って、柄杓を元の位置にもどします。最後は軽く一礼してその場を離れます。 |
3参拝をする(2拝2拍手一拝)
3‐1拝殿にきたら、軽くおじぎしてから、お賽銭をして、吊るされた御鈴(みすず)をならす。(3回程度)
鈴を鳴らすのは、例えるなら、訪問した家に来ましたよーっと訪問を知らせるピンポンベルを鳴らすのと同じような意味と、邪気をはらう意味があります。
3-2拝礼をする。拝礼の基本は、二拝二拍手一拝/二回深く頭をさげ(90度)てお辞儀して、二回手を叩き願い事をして、そして最後に一礼する。
・拍手を打つ際は、正式には、胸の手前で合掌している右手を少しずらして拍手を打つのが正式な打ち方です。その時、右手中指の先を左手中指の第二関節あたりまでずらし、左手の手のひらに右手の指のひらを当てて打つのが正式だそうです。
とはいえ、ここはそう神経質にならなくても、右手を少しずらして手をたたくという風な感じで良いです。
拍手を打ったあとは、ずらした手を均等に合掌している状態に戻しお願い事をします。(決まりの作法ではないですが、願い事をする際は、心の中であなたの住所と名前をお伝えしてご祈願するとよいと言われています。)
※神社の場合は、厳密なことをいえば、参拝で御祈願する際に基本、目はつむりません。駄目ってほどではないですが、目をつぶるのはお寺で仏様に祈る時の作法なので、できればつぶらずお参りしましょう。
※2拝2拍手一拝は、あくまでも基本で、中には、島根県の出雲大社や大分の宇佐八幡みたいに4拍手の場合もありますので、そのあたりはそれぞれの神社でご確認下さい。
3-3願い事が終われば、一礼して、そのまま御尻を拝殿に向けず、後ずさりしてその場を去ります。
ただし、初詣でなどは後ろに並んでいる人が多すぎて後ずさりが出来ない場合が多いと思いますので、その場合は、おしりを拝殿になるべく向けないように、横に去っていけば良いです。
4.いただける場合は、お神酒をいただく。
ここまでが神社での初詣の参拝方法の基本となります。
初詣でのような人が多すぎる時は無理ですが、七五三や厄払いの時は、この後に昇殿参拝(正式参拝)をすると良いです。
昇殿参拝というのは、拝殿にあがり玉串を神前にしてお払いを受ける儀式です。このあたりは、各神社の社務所でお尋ねされると良いです。
おみくじや絵馬奉納は、この参拝の後、行うものです。神様へのご挨拶がまず最初。これを忘れずにです。
神社を去るときは、最後鳥居で一礼して帰ることをお忘れなくです。
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お寺でのお参りの仕方・参拝方法
1山門の前で身なりを整え、軽く一礼してくぐる。
2手水舎で手と口をすすいで身を清める(神社と同じ方法)
3参道の端を通って香炉に行き線香を焚いてさらに身を清める。
その際、他人の備えたローソクから線香に日をつけては駄目です。他人の業をもらってしまうと言われているからです。
4参拝をする。
4-1軽くお辞儀をしてお賽銭をします
4-2鈴などの鳴り物を鳴らし、深くお辞儀します。
※お寺の場合、鈴は3回鳴らします。三回ならす意味は、仏教においては、三宝、三蔵などを現すからです。
4-3手は叩かず、そっと手を併せて合掌し、目をつむってお祈りをします
4-4最後に一礼してそのまま下がります。(初詣でなどで、後ろに人が多い場合は、お尻を仏様に向けないように気をつけて横でもどこでも下がれる場所に下がって去りましょう)
参拝などが一通り終わり、最後、お寺を跡にするときは、神社と同じく山門で一礼して有難うございましたという気持ちで去るようにしましょう。
【お賽銭の金額っていくら?】
お賽銭の金額についてですが、巷では、5円、115円、1000円と様々言われていますが、本来は、特に決まりはありませんし、神様がお賽銭の金額でお願いを利く利かないを判断する事はないです。
てか、そもそも神様はお金を求めていません、お金を求めているのは人です。最近では自称霊能者とかスピリチュアリストとかのユーチューバーが出てきて、適当な事を言っていますが、真に受ける必要はないです。
ただ、お賽銭は感謝の気持ちなので、純粋な気持ちでその時出来る額をすれば良いです。もともと、お賽銭でお金を入れるようになったのは最近で、元々は米や農作物、海産物などを備えており、特に洗米した米を紙につつんでお供えしていたものです。
現在のお金をお賽銭として奉納するようになったのは、鎌倉の鶴岡八幡宮に散銭箱が置かれたのが始まりと言われいます。なので、金額は○○円するのが良いという話は、後付も良いところなんです。
おみくじをひく場合
一通りのご参拝が終わったら、年の初めにしたいことといえば、やはり”おみくじ”を引く事ですね。
おみくじを引いたら、番号を覚えて、みくじを提供している社務所でその番号を伝えおみくじをいただきます。
手に入れたおみくじは、結果が凶意外は、持って帰っても、神社やお寺で指定されているクジの結び場に結んで帰ってもどちらでもかまいません。
たまに、神社の指定されていない樹木に勝手に結ぶ人がいますが、大切な境内の樹木を傷める原因にもなるので絶対に駄目です。まさに罰当りな事は辞めましょう。
因みに神社とお寺ではおみくじの書かれ方が違うんですよ。(形式が逆の場合もあります)
神社系→内容を和歌で記載されていますが、結果の吉凶判断と余り関係ない内容が記載されていることもあります。吉凶判断は中央にその事象別判断は下に書かれています。
お寺系→漢詩系の五言四句で記載され下に漢詩解説が書かれていたりします。吉凶判断は頭に記載されており、事象別判断は、五言四句の左横にかかれています。
吉凶判断の種類は全部で7種類→大吉・中吉・小吉・吉・末吉・凶・大凶です。基本的には20%前後での配分といわれていますが、大凶に関してはあえて入れていないところもあるようです。
お守りをもらう場合
お守りをいただくのは、かならず参拝のあと。
お守りの中をあけて見ないこと。
お守りの起源は古墳時代に霊が宿るとされた剣や鏡や骨や米をお守りとして懐にしまっていた事からがはじまりで、平安時代以降に貴族の間で流行った神社や寺で出された護符を首からかける”懸守(かけもり)”が後々庶民にまで広まったのが現代のお守り文化につながっているそうです。
また、いろんなお守りを複数持っても良いのか?と疑問に思う場合もありますが、結論としては、ありです。日本の神様は、それぞれ得意分野を発揮して協力して助けようという発想なので、問題ないそうです。
絵馬の奉納の仕方
神社での参拝が終わり、さらに強く願い事をしたい時は、絵馬に願い事を書いて奉納しましょう。
絵馬をお願いする時は、絵馬を一枚お願いしますという伝え方でなく、絵馬を一体お願いしますという数え方で伝えます。絵馬の期限は、奈良時代に行われていた雨乞いの儀式で本物の馬を奉納してたところから始まっていますので、”体”という数え方になるのです。
1絵馬に書くのは絵の書かれていない裏面に。
2願い事はなるべく具体的に。
3一昔前までは、住所・名前・年齢・奉納する日を記載した方が良いといわれていましたが、防犯の事や個人情報の問題もあるので、これら全部書かなくても、このうち書いても安全で大丈夫だなっと判断できることだけ書くと良いです。
4神社で定められた奉納場所に収める。
以上が奉納の仕方になりますが、願いが叶おうが叶うまいが、後日、ご報告に訪れましょう。
願いが叶った場合→感謝の結果報告を絵馬に書き再度、絵馬を奉納する。
願いが叶わなかった場合→拝殿で結果報告することで、願いごとをとく”願ほどき”をする。
御朱印を貰う場合
御朱印は、おみくじなどと同じく、参拝が終わってからいただくようにしましょう。
神社名が書かれて印判がおされた御朱印は、もともと寺院に写経をして納めた証(受領書)として貰っていたものがはじまりです。
どんな神社仏閣を初詣に選ぶと良いのか?!
先に結論からお伝えすると、下記の3つが神社やお寺の選び方の基本となります。
- 今住んでいる地元か産まれ育った地域の神社かお寺
- その年(干支)をつかさどる神様か仏様のいる神社かお寺
- 希望するご利益に強い神様か仏様のいる神社かお寺
まず、基本的には、皆さんが住んでいる地元にあるお寺や神社、特に神社の場合は、氏神様(地域の神様)や産土神(産まれた場所の神様)鎮守の神(住んでいる土地を守る神)を祀っているところが、まずは最優先になります。
次にその年の1年をつかさどる歳神様か仏様のいる神社かお寺を選んでの参拝です。
下記の表を参考に干支の動物などから、関係する神社やお寺を選ぶ目安にどぞ。
(※必ずしも下記の表の通りでないと駄目というわけではないです)
子 | 大黒天・大国主尊 |
---|---|
丑 | 天満宮 |
寅 | 朝護孫子寺 |
卯 | 住吉大社 |
辰 | 九頭龍神社 |
巳 | 弁才天 |
午 | 愛宕神社 |
未 | 羊神社 |
申 | 日吉大社 |
酉 | 伊勢神社 |
戌 | 水天宮 |
亥 | 護王神社 |
【十二支の守護仏】
- 子 - 観世音菩薩
- 丑 - 虚空蔵菩薩
- 寅 - 虚空蔵菩薩
- 卯 - 文殊菩薩
- 辰 - 普賢菩薩
- 巳 - 普賢菩薩
- 午 - 勢至菩薩
- 未 - 大日如来
- 申 - 大日如来
- 酉 - 不動明王
- 戌 - 阿弥陀如来
- 亥 - 阿弥陀如来
次に、祈願したいご利益にかなう神様や仏様のいる神社やお寺を選ぶと良いでしょう。
あらたな一年を迎えるにあたり、目的のご利益に強いとか、有名な神社やお寺の神様や仏様にお参りしに行かれてはいかがでしょうか。
例えば、受験を控えている学生さんとかなら天満宮や天神系神社にお参りするとか、はたまた、気になる異性がいる人は、恋愛成就の神社へ、ビジネスで成功したいとか、財を蓄えたいというのなら、金運や出世運のご利益のある神社やお寺への参拝を、出産の予定があるなら安産祈願のお寺へなどそれぞれの願い事に強い神様や仏様のいる神社仏閣にお参りされるとよいです。
もちろん、必ずしも三つ全部お参りする必要はないです。地元の神社かお寺へのご挨拶はしておきたいところですが、あと一つは、歳神様や守護仏様のいらっしゃる神社仏閣でも、ご利益最優先で神社仏閣を選んでも、どちらでも良いです。
極論、忙しい人は、地元のお寺か神社だけでも良いくらいです。逆は、駄目ですけどね、地元だけ参らず、他所だけ参るというようなケースなど。
ただし、いずれの神社仏閣を訪れるにせよ、そこがお寺系なのか神社系なのかは意識してお参りの作法をしっかりと忘れずすることが大事になります。
また、神社には本殿・摂社・末社の複数の拝殿がありますが、必ず、まずは本殿の神様にお参りしてから、他の神様にお参りするようにしましょう。
大きなお寺の場合でも、それは同じで、まずはメインの仏様がいらっしゃる本堂をお参りしてから、目的のお堂をお参りするようにしましょう。
神社とお寺の参拝の違いまとめ
神社は御祈願の際に、目をつむらないけど、お寺は目をつむって祈る。
ただし、実は、日本の神様や仏様っていうのは神仏習合と言って、合体してたり、実は、仏様が神様に姿を変えているだけで、実は、同じ人物だったり、また、逆に、神様が菩薩になったりという発想や考えがあります。
なので、お寺なのに鳥居や山門があったり、神社なのに仏様を祀っていたりというのが普通にあるので、どちらか解かりにくい事がよくありますので、そのあたりは、少し気をつけて神社がベースなのか、お寺がベースなのかって見極めてお参り方法の判断をしてみてください。
それでは、本年も良いお年を!!